フリーダイビングを始めたい。そう思って検索すると、資格の団体名、器材の型番、息こらえのトレーニング法が一気に出てきて、結局どこから手をつければいいのか分からなくなる

このページは、その入口だ。最初の30日でやることを4つに絞って並べる。詳細はそれぞれの記事にあるので、必要になったときに開けばいい。

最初の30日でやること

① 自分がどこを目指すか、1行で決める(所要:10分)

「海で魚と泳ぎたい」のか「深く潜りたい」のか「息を長く止めたい」のか。これで選ぶ団体もコースも変わる。

決められなければ「海で潜れるようになりたい」でいい。それがいちばん多い動機だ。

→ 詳しく:スノーケリング・スキンダイビング・フリーダイビングの違い

② 講習を1つ選んで、申し込む(所要:1時間)

独学で始めない。 ここが最大の分岐点で、そして最も飛ばされやすい。

迷ったら PADI か SSI。国内の開催店舗数が多く、日程が合わせやすい。冬に始めるなら、海洋実習のないプール完結型から入る。

→ 詳しく:資格5団体の完全比較

③ マスクとスノーケルだけ買う(所要:1時間・約1万円)

他は全部レンタルでいい。フィンとウェットスーツは、技術が固まる前に買うと確実に無駄になる。

マスクだけは自前を勧める。顔に合わないマスクは水が入り続けて、それだけで練習にならない。

→ 詳しく:フィン・マスク・ウェットスーツの選び方

④ 練習会に1回行ってみる(所要:半日・3,300〜9,900円)

講習の前でも後でもいい。**継続の実体は「通う場所」**なので、通えるかどうかを先に確かめる価値がある。

→ 詳しく:東京・関東で深いプールに潜れる場所

以上。 これで最初の30日は足りる。

全体像:11のテーマ

順番に読む必要はない。必要になった章だけ開けばいい。

はじめに

  1. スノーケリング・スキンダイビング・フリーダイビングの違い — 呼吸を止めた体に何が起きているか
  2. 始める費用のすべて — 初期33,000円、年間158,000円の内訳

資格を選ぶ

  1. 資格5団体の完全比較 — AIDA・SSI・PADI・Molchanovs・RAID

練習する

  1. 東京・関東で深いプールに潜れる場所 — 個人で行けるプールは、ほぼ存在しない
  2. 息止めは何秒必要? — 目的別の到達点と、安全に伸ばす方法
  3. 耳抜きができない、を解く — バルサルバをやめてフレンツェルへ

器材を選ぶ

  1. フィン・マスク・ウェットスーツの選び方 — 最初に買うのは2つだけ

安全

  1. ブラックアウトとLMC — 「ひとりで潜るな」を手順に落とす

海へ行く

  1. 日本の海は、いつどこで潜れるのか — 気象庁の水温データで年間計画を作る
  2. 御蔵島ドルフィンスイム 計画ガイド — 船が着く確率を13年分の実績から出した

これから

  1. 競技種目と記録の読み方 — STA・DYN・CWT…10種目の定義と、白/黄/赤カード、15秒のサーフェスプロトコル

よくある勘違い、3つ

「肺活量が大きくないと無理」

違う。息こらえを終わらせているのは酸素の枯渇ではなく、二酸化炭素の蓄積による呼吸衝動だ。鍛える対象は容量ではなく、耐性とリラックスになる。

「潜る前に深呼吸すると長く潜れる」

最も危険な誤解。 過換気で減るのは二酸化炭素だけで、酸素は増えない。つまり「苦しい」が来るのが遅れるだけで、苦しくないまま酸素が尽きる

「浅ければ安全」

シャローウォーターブラックアウト(浅水失神)という名前が示すとおり、数メートルでも意識喪失は起こる。区切っているのは深さではなく、息を止めているかどうかと、隣に誰かいるかどうかだ。

ひとつだけ、絶対のルール

指導団体の教材には、こう書かれている。

絶対にひとりで潜るな。 これがこのコースで最も重要な原則である。ひとりで潜る、あるいは訓練されたバディがいない状態で重度の低酸素事象に見舞われたとき、生き延びる可能性は極めて低い。

DANの安全指針も同じだ。「フリーダイビングのルール1は、練習であっても決してひとりで潜らないこと」。

水中に限らない。 陸上での限界までの息こらえも、単独では行わない。


本記事は各指導団体の公開資料に基づく情報提供であり、講習の代替ではありません。安全に関わる判断は必ず有資格のインストラクターに従ってください。